「日本カロテノイド研究会」のご紹介

 

 カロテノイドは自然界に広く分布する天然色素であります。カロテノイドの研究の歴史は古く、1800年代初頭にニンジンやパプリカから天然カロテノイドが単離された事に始まります。1900年代に入り既存カロテノイド物質は指数的に増加し、現在までに600種以上が発見されてきました。

 

 元来カロテノイドは植物や海洋生物の美しい体色を決定する色素群として、光合成や光保護における役割を中心に活発な研究がなされ、認められてきました。ところが、近年はこれに加えて哺乳類や魚類におけるプロビタミンAとしての役割,がんや虚血性心疾患等の生活習慣病の予防に貢献する抗酸化ビタミンとしての役割等、新たな機能が次々と明らかにされるようになってきました。また、最近はその生合成遺伝子の発見が相次ぎ、ついに本年は、カロテノイド生合成遺伝子を導入したGolden Riceの実用化がなされ、発展途上国におけるビタミンA欠乏症対策の為に、技術が無償提供されるとのニュースで世界が揺れました。カロテノイドは、時代の変遷とともに、常に新しいトピックスを提供している、古いようで新しく、多様な機能をもつ化合物と言えます。21世紀は予防医学薬学の時代であり、カロテノイドはその機能が最も注目されている安全で有効な化合物の一つです。しかしながら、現時点でも今だに解析が不充分な機能や未知の機能が多々あり、その有用性を利用する為に、今後とも益々力を入れて研究を進めていくことが望まれております。

 

 私たちは、カロテノイドの多岐に渡る機能について産官学一体となり真摯に研究を行い、その深化・体系化により有用な利用法を確立するとともに、研究成果を世間に還元することを目的としております。医学・薬学から生物、化学、物理に渡る幅広い視点でカロテノイド研究を推進していく所存です。既に、国際カロテノイド学会から日本支部としての指名を受けておりグローバルな活動を目指しております。ともにカロテノイドの有用性を探求する者として情報交換を行い、率直な意見を交換し合い、その成果を共有する体制としてこの日本カロテノイド研究会を設立するものであります。

 

 以上述べたところをご理解いただき、是非とも研究会へご参加いただけますよう、お願い申し上げる次第です。